展覧会情報 カイナオト 「Marrow in the world」 KAI Naoto

立体作家のカイナオトさんによるイタリア美術を題材にした作品です。

開催期間
2010年1月12日(火)~1月17日(日)  会期中無休
開館時間
11:00~19:00 (最終日は17:00まで)
開催場所
SPACE B
展示内容
立体
作家名
カイ ナオト KAI Naoto
1998年から始めたイタリア美術旅行は今年1月の3週間の旅でちょうど5回目となりました。
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フィレンツェ、ヴェネツィアから始めて、ローマ・ナポリ・ボローニャ・ミラノ・ジェノヴァの主要都市から、シエナ・ルッカピサ・パルマ・ヴェローナ・モデナ・マントヴァ・ベルガモそしてヴィツェンツァ・ヴィテルボ・アッシジ・ソレント・アマルフィ・ラベッロ・ウルビーノなどといった小都市まで巡りましたが、興味は尽きることなくますます深まってゆきました。
石や煉瓦の建物、カッラーラ産大理石の彫像、フレスコ画法による教会の宗教画、戦いの歴史が彫り込まれたオベリスクや凱旋門、かつては古代ローマの水道橋から水を送られていた彫刻噴水、磨耗してうねり光る舗石など、実に重厚で濃い内容に圧倒されたのです。

ポンペイのモザイク壁画、アウグストゥス、ティベリウス、トラヤヌス、ハドリアヌス、マルクス・アウレリウスら皇帝像、それにミケランジェロ・ディ・ロドヴィコ・ブオナローティによるダビデ像、ピエタ像、モーゼの大理石彫刻、ベルニーニの噴水など、古代ローマからバロック・マニエリズムの時代まで、頭にこびりついて離れません。・・・・・・そしてドラマチックな歴史も。
気候風土、歴史、食べ物、空気が日本とは異なります。木造家屋に畳の家で暮らし湿度の高い気候の中で淡白な食べ物で育った私は異文化に刺激され、発奮しないではいられなくなりました。
パスタ、ピッツァ、モッツアレラチーズ、リモンチェッロ、バール、タバッキ、アルツーロ・トスカニーニ、アルツーロ・ベネディッティ・ミケランジェリ、ルキーノ・ヴィスコンティ、ジュゼッペ・トルナトーレ、ルチアーノ・パバロッティ、アンドレア・ボッチェリ、エンニオ・モリコーネ。人懐っこいイタリアン、すばらしいイタリア美術、何をやってもいいんだ、何を造ってもいいんだと感じた私は挑み始めます。2005、2006、2007の3年に渡って木による上半身の人体像を造りました。

彫刻の良し悪しを決める重要な要素は素材だといわれます。木製の丸棒につぎはぎだらけの作品はお粗末過ぎるかもしれません。
敬虔なキリスト教徒、静かで荘厳な教会を巡っていますとローソクの臭いが浸み込むように、ユダヤ教から分かれて西洋世界の広範囲に普及したキリスト教の精神がいつしか私の体内に残ってしまったと考えられます。
両腕を横一杯に伸ばすと端から端までの長さは身長と同じになる、レオナルド・ダ・ヴィンチの図。
両腕を広げ深く息を吸い込んで手のひらを斜め上に向けると全てを受け入れる姿勢になります。
イエス・キリストはあなたを許します。
さあ、いらっしゃい。
イエス・キリストはあなたを受け入れ、優しく包み込みます。
「受容」
キリスト教の心はそこにあると考えるようになりました。・・・・・・私はキリスト教信者ではなく、信仰深くはないけど天台宗の仏教徒です。

「受容」というテーマで発表する今回の作品は大理石や金属と比較すると貧相な木製の丸棒で造られています。傷ついて壊れるちゃちな物体です。ささやかな作品ですが鑑賞してくださる方どなたか一人でも共感してくださるなら私の意図は報われます。
2009.11.25 カイ ナオト


展示風景

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